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2011年11月14日 (月)

誰かのために4

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 ええええええ?
 秋元康が反戦歌?

愚かな戦争を/ニュースで観るより
声が届くように/私は歌おう

 うん、確かにこれじゃまるで反戦歌だ。


 AKBに出会うまで秋元康なんて見たことも聞いたこともなかったって層(おそらく現在のAKBヲタのメインストリームなんだろう)にとってみれば、「え、秋Pが反戦歌書いたっていいじゃん」「さすが秋元先生、深い」くらいの反応なのだろう。


 でも僕をはじめ、AKB以前の秋元康を知っている口から言わせれば、やっぱり「えええええええ?」なのである。だっておニャン子のころの秋元ってこんな感じだったんだぜ。


 そんなアキモトが反戦歌とな。


 ここでちょっと、Wikipediaの「反戦歌」の項をチェックしてみましょう。するとほおら

日本の主な反戦歌
 …
目撃者:AKB48(2010年) - デモ隊への治安部隊の実力行使と犠牲者の発生などが歌われている。
僕にできること:同上(2011年) - 敵国とも話し合う事の大切さが歌われている。

 ね。「我らがAKB団結48」が反戦歌ケッコウ歌ってるでしょ。僕が編集したわけじゃないですよこれ。僕だったら「誰かのために」も入れちゃうもん。


 AKBにはこれら以外にも、「ロックだよ、人生は」「Stand up!」「街角のパーティー」「夢の鐘」など、 詞を読むと反戦歌風の歌が少なくない。
 

 はい。やっぱり、あのアキモトが反戦歌なんですよ。


 ここでいわゆるギョーカイ関係者の集う方面から、「ちっ」と舌打ちをする音が聞こえて来た気がします。


 「アキモトが反戦歌なんてホンキで書くわけ無いじゃん。要するにそういう風なポーズをしたかっただけなんでしょ。何かショーバイの匂いがしたんじゃないの?」


 うわっ。ずいぶんな言われよう。これもセンセイの人徳なんですかねえ。
 

 特に秋元康よりちょっと年上、いわゆる「団塊」のおっさんたち(トップは薄いのに、サイドとバックだけはどうしても長くしておかなくては気が済まない髪型に固執して、たまにマオカラーのジャケットを着るような…あ、俺、これ前にも書いたっけ)から言われそう。


 「僕らはホンキで世界を変えようとして行動したけど、アキモト君の世代って口だけだよね」
 「彼の言葉には『真実』が無い。彼が書くのは売れる言葉だけだ」
  

 うわあ、コワイコワイ。これ読んだら秋元先生気い悪くするかな。それともニヤリとして「そうだよねー」って言うかな。たぶん後者だろうなあ。そうゆう態度だからまたこういう事言われるんだよなあ。


 秋元康は、以前にも反戦歌風の詞を書いたことが何度かある。


 たとえば盟友後藤"ゴッキー"次利が作曲し、とんねるずが紅白歌合戦初出場&日本歌謡大賞受賞を果たした大ヒット曲、「情けねえ」。もっとも日本歌謡大賞は翌々年に潰れちゃうんだけどね。


 1991年。


 高橋、板野、前田、柏木をはじめ、後にAKBのゴールデンエイジと称される少女たちが続々と産声を上げた年、世界は戦争で忙しかった。


 金はあった。
 後方視的にはバブル景気はすでに崩壊過程に入り、景気動向指数はすでに下向きに転じていたが、路線価はまだ上昇傾向で、土地の価値はまだ「神話」に守られていた。人手不足はいまだ深刻で、有効求人倍率は常に1以上、業種によっては2倍から3倍のところもあった。


 金融機関は資金が余って借り手を求めて東奔西走していた。どんなアヤシイ筋の融資案件にもたやすく金がついた。
 そんな浮かれ気分に冷や水をかけるように、突然起きた中東の危機。


 東西冷戦の終局が見え始め、世界の枠組みが大きく変わりつつあり、既存のシナリオが全くないまま起きた戦争。しかも場所は中東という日本の国益にとてつもなく重大な意味を持つ地域。
 湾岸戦争という国際政治の切所。刻々とテレビに映る「生中継の戦争」の衝撃に、政治家もマスメディアも国民も、日本中が右往左往していた。
 日本はどう振る舞ったらいいのか、全くわからなかった。


 国の態度を決められず、戦地に残された自国民を自らの手で救助することができず、多額の戦費を多国籍軍に支払ったにも関わらずクエート政府の感謝決議の中に日本の名前はなかった。


 国内では戦争への賛否を巡って激しい論争が起こり、するどく対立した。
 しかし両者とも当時の日本の態度が「情けない」という認識では、みごとに一致していた。


 そんな時に秋元康が世に送り出したのがこのだった。

暖かい日だまりで眠ってていいのかい
激動のこの時に
遠い国のふしあわせ 対岸の火事なのか
そんな歴史の涙さえも 誰も見逃すつもりか

 この曲は、とんねるずの番組のエンディングテーマでもあったが、曲の間、番組とは関係なく画面には湾岸戦争のハイライトシーンが映し出されていた。

情けねえ 自由が泣いている
情けねえ しょっぱい血を流し
今振り上げた拳は芝居じみた正義さ
この世の全てはパロディなのか?

 カッコよかったんだよなあ。僕確かCD買ったんだ。たぶん8cmCD。
 秋元後藤のゴールデンペアは、それまでにもとんねるずにいろんな楽曲を提供して来たけれど、こんなにストレートに響くメッセージを歌ったのは初めてだった。


 でもそれは、思ったほどそんなにストレートなものじゃなかったんですよ。

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