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2014年11月

2014年11月26日 (水)

マツムラブ

words


 AKB界隈では研究生を「R」という文字で表現することがある。
 たとえば「R公演」と言えば、研究生公演のことだ。
 察するに「研究生」の直訳「Researcher」ないしは「Research student」がその由来なのだろう。しかしAKBの研究生は、何かを「Research=研究」しているわけではない。「見習い」「半人前」「修行中」の身である。ここでいう「研究」とは「研修」の意味だ。だから「R」ってのはちょっと実情にあわない。
 だからJKTでは、研究生は「Trainee」、つまり「トレーニング中の人」とよばれる(そいやJKTのDVD買ったらtraineeの誰かの直筆サイン入りカードが入ってたよ)。

   夢見がちな私に/どうかチャンスください
   先輩のことだけを研究ね!

 だが松村香織先輩のことを素直に「Trainee」と呼ぶのは、どうにもはばかられる。紛う事なき研究生なんだけどね。


 本来は正規メンバーに昇格するために切磋琢磨する通過点でしかない「研究生」。
 松村先輩はその地位に自ら(公式にはね。ホントはどうなのかわからない。でも先輩が自分の意思でそう決めた、と言うのだから僕らはそうだと思うべきなんだ)留まることを選んだ。
 すでに「見習い」でも「半人前」でも「修行中」でもない「研究生」。ひょっとしたら、彼女こそホントの研究生、「Researcher」なのかも知れない。


 研究する松村香織。いったい何を?


 AKBという運動体の、本来あるべき姿とは何か。
 たくさんの少女たちとヲタどもの「夢」を、どう叶えていくか。
 夢の代償として傷ついていく魂たちを、どうやって癒していったらいいか。


 本来それを考えるべき太ったおっさんは、どうやらここのところ居眠りをしているらしい。

 Photo

 やれやれ、最近そんなことを真剣に考えてるのって、かおたんだけじゃねえの? 
 たとえばこないだの、「新曲PV歴代センターに内田さん呼ばれなかった事件」。
 夢想してみる。松村先輩がその現場にいたら。


 「うっちーさんいないのおかしくないですかー」。
 渋い顔の「大人」たち。
 「いや、ほら、チャン順はミリオンいかなかったから」。
 「えーじゃあ、たかみなさんのセンター曲って、軽蔑ですかー? ミリオンどころか3万いってないですよねー」。 
 「…お前もう帰れ。あとこれぐぐたすに上げるなよ」。
 その夜。
 「上げるなよって言われちゃったんだけど-。やっぱおかしくないですかー」。
 「センターってそんなに軽いもんだったんですかー」。
 「チャン順って、いつかチャンスが来てもいいように、くさらずに普段から自分を磨いて行こう!って曲ですよね-。今のAKBってそれ否定しちゃうんですかねー」。
 炎上炎上炎上…
 

--
 

 ところでこの「マツムラブ」、「歌ネット」「うたまっぷ」「歌詞ナビ」等々、メジャーどころの歌詞検索サイトでは軒並み404を喰らってしまう。まるで自主製作盤なみの扱いだ。
 「SKE初のソロプロジェクト」と大言壮語しておきながら、わざわざ「錦通レコーズ」というインディーレーベルをでっち上げて、しかも枚数限定の販売。普通に販売していたらそこそこの成績でチャートインしてたはずなのに。
 「栄で最初にソロデビューした」のは松村香織だが、「栄で最初にメジャーソロデビュー」するのは別の誰か、ということにしておきたいんじゃないかって邪推したくもなる。


 余談だがこの辺の事情は、本店のソロプロジェクトにちょっと似てる。
 巷間AKB初のソロデビューは板野△ということになっているが、ホントは「大堀めしべ」ことめーたんの「甘い股関節」の方が先だ。作詞作曲は秋元康&後藤次利のゴールデンコンビね。
 ちなみに2番目は増田有華の「Stargazer」だし、3番目は「おぐまなみ」ことまーたんの「かたつむり」だ。
 でもこの3曲は、AKB的にはいつの間にか「なかったこと」にされてしまっている。
 それぞれのリリースは、AKBが広く世の中に認知される前だったし、大堀も増田も奥も、決していわゆる「推され」のメンバーではなかった。だから営業的観点からみたらそれは仕方ないことなのかも知れない。


 その伝で行けば、SKE的にはいつの間にか「マツムラブ」という楽曲がなかったことになってしまっても不思議ではなかった。「大人」たちはきっとそうしたかったんだろう。
 ところがぎっちょんちょん。
 

 SKE「アップカミング公演」のM1。
 SKE48リクエストアワー2014の13位。
 それを歌うご本尊は「総選挙」で堂々の第17位(忌まわしい事件と「交換留学」に伴う大人の事情がなかったら、などと泣き言は言うまい)。


 「大人」たちは目を逸らそうとしているが、嫌でも見ないわけには行かないこの現実。


 何が「どうかチャンスください」だよ。
 口を開けて「チャンス」が落ちてくるのを待っているヒヨッコに紛れて、自分の力でチャンスを狩り取ってくる猛禽類が一羽。


 松村香織。
 ひと呼んでかおたん。
 SKE48終身名誉研究生にして48グループ研究生会会長。


 いったい彼女は何者なのか?


 僕はそれをきちんと語る語彙をいまだ持ち合わせていない。


 ご大層な肩書きも、それが何を意味しているのか僕には全くわからない。


 だが僕は松村先輩が「何者ではないか」はよく知っている。


 まずなによりも、彼女は正規のメンバーではない。
 かと言って、ただの研究生でも、ない。


 「黄金の3期」の中で熾烈なオーディションを勝ち残った理由がそもそもわからない。


 ぱっと見で人々を引きつけるような美人では、ない。
 業界の基準によれば、若くはない。
 美声の持ち主でも、ダンスの名手でもない。スタイルはと言えばゲフンゲフン。
 バラエティ指向はあるのだろうが、自分のフィールドではないところで人を笑わせる術に長けているようでもない。 


 あれだけ「炎上」に見舞われていながら、それを反省をするでもない。かと言って打たれ強い訳では、決してない。


 要するに彼女は古典的な意味でのアイドルではない。


 ないないづくしの否定の積み重ねのその彼岸に、何者かとして傲然と屹立している松村先輩の姿を、僕らは痛快さと少々のおののきを持って見つめている。


--

 舞浜アンフィシアター。
 その語源であるアンフィテアトルムの本来の意味は、「円形闘技場」。
 古代ローマでグラディエーターたちが栄光のために血で血を争った場所だ。 


 2014年11月26日。
 松村先輩はその闘技場に、たった6名の「研究生」とわずかな援軍を率いて立っていた。
 迎え撃つは、血に飢えた関東のヲタども。


 アウェイ。
 知名度の低さ。
 短かかった準備期間。
 ネガティヴな要因?
 いやいや、むしろ条件は整ったと言っていい。
 そうだよね、かおたん。


 それでもかおたんなら、松村香織ならきっと何とかしてくれる。

2014年11月 9日 (日)

明日は明日の君が生まれる5

 words


 NMB48研究生の新公演、最初のユニット曲。
 あのイントロが流れた時、劇場内の反応は薄かった。
 うん、きっとみんなはまだこの曲のことをよく知らないんだろう。


 センターには城ちゃん。
 かつて秋元先聖先生に寵愛され、順風満帆のようだった少女。
 それなのに、またはそれゆえに、みずからその場所から去って行った、元「エース」の城。
 

 電撃的な研究生復帰の背景に何があったのかは知らないけれど、その時以降彼女に吹いている風が暖かいものばかりじゃないだろうってことは想像が付く。
 一度は決まった昇進を自ら辞退するというのは、並大抵の決断じゃない。
 

 明日は明日の君が生まれる。


 そこにいたのは、あの無垢で天真爛漫な城ちゃんじゃなく、「死と再生」というテーマ(まあ勝手に僕がそういってるんだけど)に寄り添おうとする15歳の「女性」だった。
 かつての彼女にすっかり戻ることは無いだろう。でもそれが「生まれ変わった君」ってことなんだよね。


 まあ改善の余地は大なんだけどさ。これからこれから。


Joe


 難波の新しい研究生セットリスト、いいよね。
 野心溢れる「黄金センター」、武闘派の「転石」、反乱軍の決意表明「理不尽ボール」。
 

 誰のチョイスなのか知らないけど、意味深と言えば意味深(難波の劇場にいたヲタの名誉のために付け加えるならば、いきなりにも関わらず「転石」での「気合いだ」コールはキレイに打てていた)。


 この3曲、2、3年ほど前に僕がこのブログで触れたことがあった。今、読み直すとちょっと気恥ずかしいけど、その頃は気恥ずかしさを跳ね返す「熱」があった。僕にも、AKBにも。


 今はどうなんだろう。
 熱が去って行ったのは、僕からなのか、AKBからなのか。
 少なくとも、先聖先生はずいぶん冷めちゃったんじゃないかって気がする。
 

 かつての秋元先生は、こんなことは決して許さなかった。
 

 「歴代センター」が力を合わせてマイクを引き継いでいく。
 そういう演出は悪くはないと思う。


 しかしそこに、内田さんはいなかった。
 運だけで「チャンスの順番」を勝ち取った、ある意味最も当時のAKBらしさを象徴していた内田さんが。


 何でもこの「歴代センター」は、「ミリオンセールを達成した楽曲」のセンターに限定したんだそうだ。
 残念ながら「チャンスの順番」の売り上げは、たったの70万枚でしかなかった。惜しかったっすねー、内田さん。


 ふん。なるほど。


 AKBという運動体の栄光は、もしそういうものが本当にあるというのならば、それは「100万枚以上の売り上げを続けている」ということに依拠している、と言いたいわけだ。
  

 なあそれ、面と向かって、高橋みなみに言えるか?


 そうか、言えるのか。
 今のたかみなは、背負うものが多すぎて、頷くことしかできないのか。


 「ミリオンを達成しなかったから資格無し」というロジックは、単なる言い訳Maybeなのだろう。
 ぶっちゃけ営業的な理由で内田さんをはずしたかった(または彼女がかつてポジションゼロに立ったことがある、ということを誰も思い出さなかった)だけなのだろう。


 何度も書いてきたが、今やAKBのシングルはひとつの「産業」となっている。
「ミリオンセラーを維持するためには、内田は不要」と「大人」達が考えたのならば是非も無い。
 人はメシを喰わなきゃならない。モノを売らなきゃならない。
 内田さんには申し訳ないが、そういうことなら諦めて貰うしか無い。


 だが「内田さんが呼ばれなかったのは、ミリオンを達成しなかったから」という、後付けで醜悪な理由を誰かが得々として掲げるのならば、僕は決してそれを許すことはできない。
 それは人々の心を掴んで振るわせてきた「AKB的な何か」と最も相容れないモノだ。
 かつての秋元先生だったら、絶対に許さなかった。


 こんなことしてちゃダメだよ。ホント。
 こんな理不尽ボールを受け入れちゃダメだ。


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