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2016年6月

2016年6月23日 (木)

新・幕末純情伝

 最初に見たつかこうへいの芝居は、「いつも心に太陽を」だった。
 1979年2月。田舎の高校生だった僕は、西武劇場に続く渋谷の坂道を緊張しながら登っていったのを憶えている。


 夏の海と男同士の恋。
 お子ちゃまに愛というものの意味は判らなかったが、それが美しくも哀しいものであるということは、暗い客席で涙を流しながら会得した。
 

 僕はその後しばらく演劇少年になる。見られるのは日曜のマチネくらいだったが、行ける芝居なら何でもよかった。ジァンジァンで加藤健一の「審判」や寺山修司を見たのもこの頃だった。 


 あれから37年だって?
 

 馬齢を重ね薄くなった白髪頭の僕に、死んだつかは雲の上から「今さら何しに来たんだ」と毒づいている。
 「うるせい、あんたの芝居を見に来たんじゃない。俺は松井玲奈を見に来たんだ」。


 松井玲奈。
 ステージで見たのは3年前のこと。それっきり縁のない人だった。「ゲキカラ」も「gift」も「名古屋行き最終列車」も見たけどね。なんだ松井R、気になってるンじゃん「初恋芸人」は見なかったけど。


 今でも憶えている。いつの「総選挙」だったか、うつむいて泣きじゃくってコメントできない松井玲奈に飛んだヲタの檄。
 「前向け!」。
 その刹那彼女は涙を拭いもせず顔を上げた。その目には火が宿っているようだった。
 何がかすみ草なものか。その根は太く、力強い。


 「卒業」からもうすぐ1年。ひょっとしたら辞めていったメンバーの中で、いちばんうまく行っているんじゃあるまいか松井玲奈。
  

 つかこうへい七回忌特別講演「新・幕末純情伝」@銀河劇場
 松井玲奈は主演の沖田総司。これは見に行かずんばなるまいよ。


 18時半現場着。
 エントランス近くには松井玲奈宛の花がたくさん飾られていた。めーてれからもちゃーんと。
 でもAKSと秋元康事務所からの花は無かった。いかんなこれは。


 19時開演。


 21時10分閉幕。
 

 あっという間の2時間ちょっとだった。


 高校生の頃のように滂沱の涙にくれるということはなかったが、いい2時間ちょっとだった。


 つかの芝居らしく場面転換は目まぐるしく、余計な説明はない。一人の登場人物に表れる幾層もの人格。なつかしのドラマツルギーだ。
 「いいもの」と「わるもの」の区別がはっきりついて、物語の筋書きと「感動する場所」を説明してくれる人がいるドラマに慣れている観客には骨だったかもしれない。


 役者たちは、松井玲奈を含め全力の芝居だった。決してうまくはないのだが、その姿は胸に迫るものがあった。


 ただ難を言えば、言葉が伝わりにくい。


 要するに役者の発声がよくないのだ。怒鳴り続ける、その気迫はよしとしよう。だが端的に何をしゃべっているのか伝わりにくい。
 怒鳴ってもがなっても囁いても、言葉の粒がひとつひとつきちんと客席に伝わっていた風間杜夫や平田満の発声がいかにしっかりしていたか、ということなのだろう。
 その粗野で猥雑で哀しくて美しい言葉を、客の心の奥に届けることができなければ、つかの芝居はただの言葉遊びに堕してしまう。


 もっと言うならば「つかこうへいの脚本」という概念自体がある種の悪い冗談である。つかの芝居に脚本というほどのものはなく、あるのは骨組みと情念の方向性だけだった。
 初日と楽日ではセリフや筋書きががらっと変わってしまう。それが当たり前の世界だった。
 役者も客も、何が起こるか解らない、変転自在なつかの「言葉」の上で転がされ続けた。それがつかの魅力だった。
 

 まあ、それができたのは、その場につかがいたからなのだが。
 であるならば、せめて脚本に縛られることなくもっと「今の言葉」を伝えてもよかった。 


 それと矛盾するようなもの言いになっていまうのだが。


 オリジナルでは確か沖田は土方に半ば強姦に近い形で犯されるはずだった。
 この公演ではそのシーンがすっぽり抜けていて、後で「女にしてもらった」と説明されるに過ぎななかった。これはいかがなものかなあ。このシーンは男として育てられた沖田が力尽くで「女」にさせられ、それと裏腹にその後否応なく「人殺し」の道を歩まされるきっかけの場面だ。
 ここを境にして、純朴な男の子が業を背負った女に生まれ変わる。そして何よりも、松井玲奈が舞台上で衆人環視のもと、陵辱されるというシーンだ。これを見せずして何を見せるというのか。
 ここでブレーキを踏んでしまったら、女優松井玲奈の沽券に関わるんだがなあ。
 事務所が許さんかなあ。 


 女優松井玲奈。
 

 板の上の彼女は、まだどこかしら生硬で遠慮がちだったようでもある。殺陣だってまだまだだった。なに、殺陣の巧拙などどうだったいいのだ。彼女には同年代の女優が逆立ちしたって叶わない「劇場」の経験がある。


 臆するな。前向け。松井玲奈。

2016年6月15日 (水)

ロマンス、イラネ

 words


 コルセット?
 結局はずしたさ。ビーって鳴ったらやだから。
 ちょっと腰がぐらぐらして不安だけど、ビーって鳴ったらやだもん。
 でも鳴るか鳴らないかなんて、素材を見りゃ一発でわかるじゃんねえ。後で気づいた。箱見りゃ書いてあるじゃん。「合成ゴム」。じゃあ鳴らないじゃん。はずすことなかった。

 
 17時シアター着。
 今日は彩希さんの生誕祭。委員の人がペンライトとタオルとマスコット人形を用意してくれた。
 お賽銭を入れて壁に貼られた「選挙」ポスターを眺める。モニターでは「政見放送」。茂木が泣いておる。去年ランクインしたことを思い出して感極まっている。今はTeam 4にはいないけど、研究生の頃から見ていた茂木。今年も嬉し涙を流して欲しいぞ茂木。

 
 抽選は真ん中くらい。 
 やっと呼ばれて満を持してゲートをくぐったら、ビーだって。
 やだ、ポケットに車のキーを入れてた。何のためにコルセットはずしたのさ。
 お兄ちゃんにボディーチェックされてる間に2人に抜かされて入場。ざっと見回して上手4列目に座席を確保。前回より一列後ろだけど、その分センターステージの視野が広い。そしてここなら「森」の西野と「青春」の小嶋(真)が真正面に来るはず。


 周りを見回すと栄の法被を着たオジサンを遠方席に発見。稜巴さんのPTAだね、きっと。


 影アナはその小嶋(真)。
 今日も「熊本地震」ではなく「熊本地方を中心とした地震」と呼んだ。うん。それがいいよね。死者こそ出なかったけど、傷ついた人は熊本以外にもいるのだから。大分出身の指原先輩の立場もあるし。


 そして始まったオバチャ。凍っていた背骨の奥から熱い物が登って来て、いて、いててて。これは腰痛だちくしょう。


 暗闇に響く裏打ちスネア三連発から駆け上るストリングスとピロピロシンセ。おなじみユーロビートにださださ衣装の「ロマンス、イラネ」。
 80年代にディスコで踊ってたおっさんの黒いところを揺さぶるんだこれが。


 「そんな恋愛なんか必要ない」と小気味のいい啖呵。
 「ホントの愛に出会いたい」という心の底からの熱望。
 でもねえ、「イラネ」という言葉と裏腹に心は惹かれて行くんだ。それもダメ男に。

   Ah 親友さえ裏切れるくらい/Sad もう何も見えなくなってる

 タチの悪い恋愛も時には必要なんだけど、彼女たちはそれすらも許されていない。なあにが恋愛禁止令だっ。ナイショで恋しちゃえお前ら。その方がずっとずっと艶が出るって。間違いないって。
 下らない恋愛のその奥にあるかもしれない「ホントの愛」にたどり着けるのは、下らない恋愛で傷ついたことのある者だけだぞ。


 村山。
 昔っから好きですよ彩希さん。
 でも「シアターの女神」をモットーに掲げていたとは知らなかった。その言や善し。
 今日の主役だけあって輝いていた。公演出演連続記録が続く、文字通りのシアターの女神。
 でもそれって外仕事が少ないって意味でもあるんだ。くさるなよ、ゆいりんご。
 公演頑張ってて、みんなに「ゆいりーと言えばおバカ」と言われていて、誰かを思い出した。
 同期はみんな売れっ子って、実はそうでもないんだよね、13期。
 相笠雨宮岩立梅田大島岡田北北澤篠崎髙島長谷川光宗村山茂木森山渡邊。僕がすらすらと暗唱できるのは1期2期3期と13期だけ。
 オール13期の「RESET」、オンデマで見て痺れたんだよなあ、昔。頑張れ13期。
 でもちょっとみんな彩希のおバカのいじり方に愛が足りない感じ。ダメだよそれじゃ。


 川本。
 前回のお呼ばれでも出てたはずなのに記憶に残っていなかった。でも今日はやけに目を引いた。前回はあれだ、小嶋(真)があんまりよくてこの子とか見えてなかったんだ。
 すっきりときれいな顔立ちに似合わぬ無茶なダンスを時々している。よく見ると指づかいが丁寧で、ほんのりとしたエロティシズムを感じさせる。うーん、こういうのシアター来ないとわかんないよね。


 岡田(彩)。何かから解放されたかのような。クールでダイナミックでビューティー。
 あやかと言えばともだちが少なくて、「ぼっち食べ放題」の印象が強かったんだけど。っていつの話だそれ。今見直してみると、ああ、何て幼くて儚げだったんだろう、あやか。
 それがあのパフォーマンス。戸ヶ崎さんは最初っからダイナミックだって誉めてたんだよな、彼女。


 北川。
 初お目見えの稜巴さん。目鼻立ちはもちろん、立ち姿の美しいこと。こういうのを眼福って言うんだよね。あの目に見据えられてガチ恋歓迎なんて言われた日にゃ、防御力の弱い童貞諸君はメロメロだろう、そりゃ。
 稜巴さんと言えばカメラが嫌いでどうしてもフレームに入ろうとしなかった子の印象が強かったんだけど。っていつの話だそれ。
 AKBに憧れていて、この舞台に立てることが嬉しいって言ってた。栄の子なのは間違い無いのだけれど、シアターに馴染んでもいた。


 朝長。 
 博多の研究生公演以来お久しぶりの美桜さん。さすがにお姉さんになっていた。でもステージじゃ借りてきた猫みたいにおとなしい。心は博多に置いて来ちゃったのかも。西鉄ホールの新劇場の話をしてたし。
 

 西野。
 いつもの西野。見てるだけで気持ちが高揚してくる西野。でも昔ほど「放し飼い」感がなくなってきたかもだわ西野。
 目論み通り「森へ行こう」は真っ正面で見ることができた。前回より闇の深さが増したような。


 小嶋(真)。
 カッコカワイイ小嶋(真)。目論みがやや外れて、「青春の稲妻」では下手からスタート。途中上手にも来たんだけどね。フィニッシュは下手で見えなかった。でもやっぱりカッコカワイイ。
 

 高橋。
 ちょっとふっくらとしたかな?
 「スナックのママ」感が更に増してる。ボトルキープして毎日通っちゃうよ俺。
 端でターンをしてる時、誰かに微かなウインクしてたの見逃さなかったぞ。あれ直撃くらったらおっさんでもちとキツイかも。ああいう「女」の出し方のできる人は、子どもだらけのTeam では貴重。 


 岩立。
 相変わらずおきれいでした。
 今日は「バナナ」、ちょっとだけ見えた。
 言っちゃなんだが、二次元で見るとフツウなんだけど、現場で見ると時に息を呑むほどキレイに見えるんだなこれが。てかこれを見に通うわけだよ、シアターに。
 今日はおなじみの「はーやーい」を他のメンバーにパクられていた。


 いずりな。
 嘘だけどかわいかった。嘘だけどな。


 前回よかましだったけど、右の柱が邪魔っけで、ステージ中央のパフォーマンスが見えにくいのだけれど、そこはもうシアターの宿命。
 でもね、今日は壁に映ったシルエットを堪能しました。
 そういう見方もある。ライティングもちょっとは考えてくれているのかな。


 あっと言う間の2時間ちょっと。「生誕祭」があったのでちょっと伸びたけど、やっぱりあっと言う間だ
った。彩希さんのファンがとても頑張って、場を盛り上げていた。え、僕だってファンだよ、モチロン。
 腰の痛みは消えていた。というか、気がつかなかった。それくらい楽しかった。

 
やっぱシアターだよな。

Let's get ''あと1センチ''

words

   追いかけていた君の宝は/手を伸ばしたちょっと先にあるよ
   つま先で立って背伸びしながら/あと1センチだけ頑張ればいい

 まあ傍から見りゃ見えるのだが、やってる本人にしてみればそれが1センチ先なのか1メートル先なのか、1キロ先なのか判らないんだもん、つらいやね。


 「総選挙」の季節。
 例年だったらみんなそれこそ「あと1センチ」のつもりで1票1票をかき集めてたわけだ。いや、1センチどころか、

   空に手が届くか? /踵を上げてみようか
   遠い山が/1ミリ低くなる

 1ミリだよ1ミリ。
 その1ミリかき集めて何とか這い上がろうとする、まあ健気というか、残酷というか、そういうイベントですわね、選挙って。
 今年はそういうのから解放されて楽っちゃ楽ですが、ちと寂しいというのもあります。


 それよっか問題は腰だ。
 腰が痛くて仕方ない。
 座り仕事なのだが、同じ姿勢の座位が続くと、大腿から腰が引き連れるように痛む。
 やれやれ。そういう年だとはわかってはいるのだが。ウエイトオーバーなのかな。
 中山式コルセットで何とかしのいでいる。現状。


 てなところに二月ぶりのご招待状が届いた。 


 「うちの子」Team 4、2回目の「夢死な」公演。各公演1回きりのお約束かと思ったら2回目のお呼ばれ。前回「また来てね」って言ってくれたさっほーが、空の上の誰かさんにお願いしてくれたのかしらん。


しかも村山彩希さん生誕祭。しかも稜巴さん(おいおいこれも一発変換したぞどこで憶えたんだお前)出演。あと美桜さん。実はこの人とは3年前に博多で会ってる。正直印象は薄かった。可愛い可愛いって評判だったんだけどね。
 さはさりながら。女子(アイドル)は別れて三日なれば即ち更に刮目して相対すべしってね。況んや三年をや。
 

 で、問題はコルセット。
 今のところこいつが手放せないんだが、メタルディテクターとの相性や如何。


 腰に巻いたまま入場して鳴っちゃったどうしよう。何のために樹脂製バックルのベルトを買ったのかわかんないじゃん。はいちょっと待って~って順番遅くなったらどうしよう。
 外して入場なら安全だが、人前でもう一度コルセット巻くのもなあ。かと言ってコルセット無しで2時間保つかどうか…
 年は取りたかねえなあおい。
 
 

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