Desire

2014年3月25日 (火)

純愛のクレッシェンド

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 ただいま恋愛中、もしくは愚かにして切ない恋愛の諸相・第2幕第3場
 「少女の欲望」


 ゆっくり回っているシーリングファンに徐々に焦点があってきた。
 知らない間に眠ってしまっていたらしい。でも身体の奥の方のひりひりした痛みが、それが夢ではなかったことを教えてくれる。
 遠くで聞こえるのは、雨音。それともシャワーの音だろうか。

 
 済んでしまえばあっけなかったな。

 
 突然の雨は言い訳だった。
 「服が乾くまで、ちょっと雨宿りして行きましょう」。


 自分でもびっくりするくらい、その言葉はさらっと出てきた。
 別に用意してきたセリフじゃないのよ。練習だってしてない。だっていきなりの雨でびしょびしょなんだもの、このままじゃ風邪ひいちゃうわ。しょうがないじゃない。

 
 彼は驚いただろうか。


 表情は見えなかったけれど、その瞬間つないでいる彼の手から、何かが流れ込んで来たのがわかった。
 雨を避けてビルの軒を伝いながらたどり着いたのは、ふだんは立ち寄らないようなエリア。けばけばしいファサードの濡れた人工大理石に点滅する赤いネオンが反射していた。一瞬のためらいの後、彼は私の手を引いた。
 雨宿りをするには余計なものがずいぶん多いこの部屋に。


 彼は驚いたに違いない。


 私の中にあんな私がいることを、彼は驚いたに違いない。
 でも私はちっとも驚いていない。

  
 淡い憧れや胸震わせる思い。目があっただけで薄紅に染まる頬。
 私たちのそういったものを、男の子たちは清らかなもののように思っている。
 うん、清らかなのはマチガイないけれど。
 でもそういった清らかなものの果てには「これ」が待っているってことを、私たちはとっくの昔にに知っていた。今日この日が来ることを、ずっと前から知っていた。


 だから私は、自分にちっとも驚かなかった。
 ただ、思ってたよりあっけなかっただけ。


 窓の遠くで稲妻が光り、ずいぶんしてから雷が鳴った。
 彼が近づいてくるのが聞こえる。

 
 今はもう少しだけ眠っているふりをしよう。
 服がすっかり乾いてしまうまで。


--

   愛の雫を/たった一粒/与えられるだけで

   枯れた心が/息するように/女は開く


  「7時12分」に「春が来るまで」。
 じれったいほど幼い恋が続いたと思ったらいきなりこんな大人の恋。
 いやいや、「いきなり」なんて思うのは男だけかもね。
 ひょっとしたら女の子にしてみれば、こんな恋も「純愛」の範疇。
 
 
 
 

2011年10月24日 (月)

制服がブログの進行の邪魔をする

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 「見逃した君たちへ」DVD大杉。


 ええと、まだ制服の話が終わらない。


 制服の機能についてまとめます。
 制服には「美しさを隠そうとする」機能があると書いた。
 それはつまり、色味やデザインは基本地味ってこと。
 わかりやすく言うと、「葬式に着ていける」コスチューム。ね。中高生って喪服の代わりに制服でお葬式行くでしょ。ついで言うと、「葬式に着ていける」ってことは「ちゃんとしている」ってことでもあります。「ちゃんとしてる」って言うのは、「それを着て、公の場に出てもOKという社会的合意ができてる」ってこと。


 もう一つ、これまであんまり言わなかったけど、制服って「おそろい」でなきゃいけない。
 制服のある学校の生徒は、基本おそろいの格好をしている。当たり前と言えば当たり前だけど、これが制服の本質。
 英語で「uniform」っていうのは、uni-(ひとつの)form(かたち)ってことだもの。ひとつに統一された形ってことは当然「おそろい」ってことだ。


 つまり、「地味でちゃんとしてて、おそろい」であるのが制服。
 

 で、AKBの「制服」を見ると、まず「地味じゃない」。だって「桜の花びらたち」のジャケ写みたい
な格好じゃ葬式行けないよね。

 
 そして「ちゃんとしてない」。特に「制服が邪魔をする」以降に目につくようになった、裾を半分だけ出してるように見えるアシンメトリックなブラウスは、すごーく「ちゃんとしてない」というか「しだらない」印象が強い。


 そういやちょっと前に裾出しシャツでブツギを醸したオリンピック選手がいたっけね。
 そうそう、この人
 あんときゃ大騒ぎだったよねえ。もっともボーダーって基本あんなカッコだもんね。あれがボーダーの「おそろい」と考えればフツウなんだが、「ちゃんと」してなきゃいけないことになっているオリンピック選手団の制服であんなアレンジをしちゃったから、「だらしない」って怒られたんだね。
 もともとはスゴイ選手なのに可哀相でしたね。


 AKBの「制服」のもうひとつの特徴は「おそろいじゃない」。
 最初のころはおそろいだったんだよ。でも気がつくとメンバーごとにばらつくようになった。
 「PARTY」公演の「制服」は、「地味じゃない」けど、それなりに「ちゃんとしてる」し、「おそろい」だった。A2、K2のころからちょっと個人ごとのばらつきがあるようになったようです。


 A2(B2、KII1)でいうと、「背中から抱きしめて」からの3連コンボ。金ピカで「制服」というのとはちょっと違うかも知れないけど、おそろいのコスチューム。での襟とか袖の縁取りの色が赤、青、緑の3種類あった。

Tricolor

 K2では、しょっぱな3曲の「制服」。珍しくとっても制服らしいコスチュームで、ローファーを履いている。でもよくみると、ネクタイが3種類。赤、紺、ピンク。


 K2の公演タイトル曲でもある「青春ガールズ」は、前にも書いたけど、ベストを脱ぎネクタイを緩めるというとっても象徴的な所作が冒頭にある。
 「君が着ている制服の束縛をちょっと緩めようぜ」みたいなメッセージ。その制服が、ほんのちょっとだけど「おそろい」じゃない、ってのはまあよくできた(たぶんそんなに意識していたとは思わないが)演出でした。

K2ties

 A3でも、実は頭3曲が「制服」を着ている。どれも直接学園メタファーとは無関係な曲なんだが。で、よく見るとやっぱりタイの色が違っていて、完全な「おそろい」ではない。


 そしてこの「制服が邪魔をする」(の話だったんだよな、もともとは。忘れてたよ)。
 アシメで「ちゃんと」してないブラウスにネクタイ組とリボン組にわかれてるので、やっぱり完全に「おそろい」ではない。


 その後も「地味でなくちゃんとしもていなくて、おそろいですらない」というAKBの「制服」は徐々に進化していく。それがぎりぎり制服のように見える、という一線は残したまま。


 これを「制服の脱構築」「制服のポストモダン」と呼ばずして何と呼ぼう(いや単に「変な制服」って呼びゃいいんですけどね)。

 うわ、我ながら言い回しが20世紀っぽくて赤面してしまうのだが、でもホントに「脱構築」「ポストモダン」なんだもん。

 そういや秋元副学長を擁する京都造形美術大大学院院長は、かつてのポストモダニズムの旗手、浅田彰大センセイじゃないですか。
 微妙にかすってるよね。

 さて、その「制服」の進化形のひとつを、2011年現在、僕らはA6の「制服レジスタンス」に見ることができる。当ブログ的にはものすごーいフライングゲットなんですけどね。
 チープで過剰な装飾、アシンメトリックなカット、3人3様のデザインとディテール。すげーな。
 それでも見ようと思えば、制服に見えないこともない。

Resistance2

 何というか、これはもう制服に似せて最も「反制服的な制服」と言うしかないでしょ。まさに「制服(に対する、内部に留まって抵抗するという言葉の本来の意味に照らし合わせて誠に正統的な)レジスタンス」。
 

 なんでAKBの「制服」はこんな特異な進化を遂げたのだろう?
 いろいろ考えているんだけど、今ひとつまとまらない。


 ただひとつ言えることは、おかげさまで、まだぎりぎり板野さんもまだ「制服」を着ることができ
るってことかしら。麻里子様はちょっと…。


 そう、制服らしからぬ「制服」を採用することは、結果として現在の主力である1990~91年生まれ組が、AKBから離脱するのを防ぐ役割を担ってるとは言えますね。

 というわけで、「制服」に関するゴタクを、TOKYO DOME CITY HALL 2011第19公演(「PARTYがはじまるよ」)を見ながら書いてました。
 篠田やぱるさん、秋元(オ)はおろか、CinDyや佐藤があの「制服」を着て「PARTY」を歌う姿は、往事を知る人(と昔の公演DVDを舐めるように見てるおかしな人)にとっては感涙ものでありました。

Cindy


「見逃した」余談:モップコールってはじめて聞いちゃった。
余談2:ぱるさんの自己紹介MCのとき、「はるなちゃんコール」が欲しかったなあ。当日ご本人は映画館で見てたそうです。演出の一貫でご招待してもよかったんじゃないかしらね。ムズカシイことはよくわかんないんだけど(と童貞面)。


2011年10月22日 (土)

制服が邪魔をする5

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 「国民的アイドル」なんて言われ方をするようになったけれど、大多数の人にとって「AKB? 僕の人生に必要ありません」なわけで、それでも最新曲とかについてのトピックならばまだしも、シングルになったとはいえ5年前の曲の、しかも曲の内容ではなくて、靴やコスチュームの丈の長さについてぐだぐだぐだぐだ書いているわけだが、100人いたら99人がどうでもいいと思い、残りの1人は読みゃしないよなこんな文章、糅てて加えてここまで句点ゼロだし。

 
 駄菓子菓子、それでも語りはじめたら語り終えねばなるまい。
 「制服が邪魔をする」なのに制服っぽくない制服を着てるって話の続き。


 AKBにとって制服って言うと、切っても切り離せないようなアイテムのようなのだが、彼女たちが着てきた「制服」を実際に見てみると、実はあんまし普通の制服っぽくないってことに気づく。


 もちろんPVの小芝居などのように、リアリティが求められる場合は別だけど。
 そうじゃない場合の「制服」、たとえばファーストシングル「桜の花びらたち」のジャケ写のコスチュームはどうだろう。
 

 フリルのシャツにピンクのタイ。スカートもピンクのチェック。
 かわいい。文句なしにキャワイ~い。


 でもちょっとデコラティブ過ぎで機能的じゃないよね、これ。
 あと志穂さんの頭インパクトでかすぎ。
 あとツウの皆さんならお気づきのように、この「制服」は「桜の花びらたち」用の衣装じゃなくて、A1の頭3曲、「PARTYがはじまるよ」「DMT」「毒リンゴを食べさせて」と続けてお聞きいただきましたが、みなさんいかがでしたでしょうか、ありざとざーす、用のもの。それはさておき。


 さて、これは制服なのだろうか?


 学校の女の子の制服っていうのは、ホントはもっとジミなものだ。酒井順子さんの言葉を借りるならば、学校の制服とは

人生の中で最も美しい時期の肉体を、隠そうとしている

酒井順子 制服概論

 ものなのだから。


 何故隠すかというと、前にも触れたように、制服はそれを着る者の守るためである。それがこんなキャワイ~い「制服」で目立ってしまったらあっという間に食べられてしまう。


 アイドルの中にはAKBよりも学園メタファーを前面に押し出したグループ(ええ、さくら学院のことです)や、その名もずばり制服向上委員会(SKi)などもあって、彼女たちの「制服」は(もちろん多少のデフォルメやデコレーションはあるものの)とても制服らしい(靴はペニーローファーだ)。
 それは何故かというと(「それに触れてはいけない」と僕のゴーストが囁くのでやめときます)。


 それに対し、AKBはしょっぱなから「制服のようで制服でない」制服を選んだ。


 これについて、最初から確乎とした戦略があったのかどうかは詳かにしない(まあ無かったんだと思うよ。最初の頃そんな余裕はなかったろうし。そもそもは秋元先生の趣味と、茅野しのぶ嬢のセンスが全てだったんだろう)。だが結果として、AKBの「制服」はその後も特異な発展を遂げることになる。


 うわ、まだ終わんねえよこの話。
 まさに「制服が(進捗の)邪魔をする」。

2011年10月18日 (火)

制服が邪魔をする4

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 前回あれだけ制服について書いたのに、よく見ると公演でこの曲を歌ってる皆様は制服を着てないって話。もークリビッテンギョーだよね。制服着てなきゃ邪魔のしようがないじゃんねえ。


 一応白のブラウス&タイにタータンチェックのスカートなんだけど、これをして制服のインナーだって言えばそう見えなくもない。でもそれにしたって、世の中で言う「制服」からは遠い所にあるよねえ。
 たとえば、「制服」というのならシューズはブーツじゃいかんでしょ。


 AKBで「制服」と言えばシューズは選択肢無しでハルタのペニーローファーでしょ(いや別にハルタである必要はないんだけどさ。学園メタファーでローファーっつったらハルタが定番だったからさ)。

 
 たとえば「スカひら」。
 公演でこそみんなスニーカーを履いていたが、学園を舞台に撮影されたPVでは、全員おそろでペニーローファーを履いている。Pv

 「会いたかった」のPVでもメンバーみんなで履いて踊ってた。洲崎灯台の草っぱらでステップを踏むには不向きだったと思うけど。


 「ごめんね、SUMMER」で、下々を睥睨する高柳が履いていた靴。


 「AKBがいっぱい」の集合写真でも多くのメンバーが履いてる靴。


 ナンバの最新作「オーマイガー」のみなさんもやっぱりペニーローファー。


 公演でいえば「青春ガールズ」の頭3曲は、それほど制服っぽい歌ではないのだが、みなさんペニーローファー。だからこの靴が楽屋に置いてない訳ではないんだわね。実際A4ではペニーローファーで歌う曲もあるんだし(はい。ご想像の通り「軽蔑…」です)。


 ちなみに「制服…」のPVでも「渋谷」のシーンに限って言えば、みーんなローファーを履いてます(ペニーローファーかヴァンプか識別できないのもあったけど)。
 頭に何か大きなものを載せた高橋(しかもルーズソックス!)も、ガード下でオジサンを待ってる前田も、スクランブル交差点をモーゼのように渡る小嶋も、カフェで男の子2人と合流する河西(河西もルーズソックスとは!! 高橋ならまだしも!!!)、橋の上から立ち去る大島(優)も。


 なのにどうして畑トンネルで撮られたダンスシーン&公演では、みんなブーツを履いているんだろ。

たかが女子高生よ

 と明示しているにも関わらず。


 さらに制服っぽくないのが、あのブラウスのデザイン。


 一応タイまたはリボンでアリバイ的に制服らしさを出そうとしているのだが、あのブラウス、アシンメトリーにもほどがあるよね(←誉めてるんすよ)。

 
 公演では、右半身の前身頃だけが長くて、一見タックインしているブラウスの、半身だけ外に出しているように見える。
 襟首から離れたタイまたはリボンのノットとあいまって、すごくしだらない感じがする(←これも誉めてるんすよ)。


 PVの衣装はさらにアシメが徹底していて、袖は右はレギュラー丈で手首まであるのに、左は肘くらいまでのハーフレングス。

Photo

 スカートも微妙に右の方が丈長。わずかにのぞいている黒のペチコートの露出面積も右が大きい。

Photo_2


 ここまでアシンメトリックだとだと、このコスチュームを「制服」だと言い張ることはかなり難しいでしょう。

 
 言ってみれば、このコスチュームは「制服であって制服でない」制服。
 うわあなんか泥沼にはまってきたような気がするぞ。
 気のせいかな。大丈夫かな。

2011年10月13日 (木)

制服が邪魔をする3

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 「制服が邪魔をする」は、「制服」で象徴される制度に束縛されて(と同時に守られて)いる女の子の葛藤の歌でした。イメージはずいぶん違うが構造としては「セーラー服を脱がさないで」とそんなに変わらない。
 1985年の歌だぜ、これ。秋元っちゃん進歩無いぞ。


 ところがだ。
 こっから先はちょっと先取りになっちゃうんだけど、その後AKBにおける「制服」の意味はどんどん進歩というか進化というか変容というか、とにかく違ったものになって行く。

 たとえば「JK眠り姫」。2008年、A5の公演曲だから、「制服が邪魔をする」のA3から3年後。


 秋元先生JKって言いたかっただけちゃうん?


 ま、それはさておき、ここでは「制服」が自分を「守る」と同時に「縛る」という、初期のころにみられた葛藤は見られなくなっている。

まだまだ堅い殻の中/汚れていないその果肉
大事なものを守り続ける/キスで目覚めて
愛を知る日まで

 汚れない少女性/処女性を守る殻としての「制服」ではあるが、ここには自分を縛るものというネガティブなイメージは微塵もない。なにしろ

時がどれだけ過ぎても/似合っていたいの制服

 ってくらいだから。


 ちなみに「少女性/処女性」を守る殻とその破壊というテーマは「胡桃とダイアローグ」でも展開されている。これもイイ曲なんだけどねえ、話が散乱しすぎちゃうよねえ。


 さらに2009年2月、B4の「女子高生はやめられない」になると、

制服を着ていりゃ 勝ちゲーム/ハナノシタ男たち 一発ノックアウト

 と、「制服」は「守る」でも「縛る」でもない、男どもをノックアウトする「武器」になってしまっている。


 ところであれだね、この歌、いかにもTeam Bっぽくていいやね。

私たち 可愛いじゃん/それなりのルックス
スペシャルなんと言わないけど/平均以上じゃん

 なーんて、まさにAKBのことじゃん。ちょい可愛い。平均以上。でもスペシャルじゃない。
 で、AKBという「制服」を着てれば「勝ちゲーム」。
 こういう歌をいけしゃあしゃあとメンバーに歌わせる秋元康ってやっぱヘンタイ(イイ意味で)だよねえ。


 2010年3月、K6の「制服レジスタンス」ではもっと複雑な様相を呈する。

私は/制服を着たレジスタンス
大人に抵抗し続ける
孤独な/制服を着たレジスタンス


 大人対する抵抗(レジスタンス)という、歌のテーマ自体は昔っからあるおなじみのもの。でも昔だったらこういう時は、制服は脱ぎ捨ててたよね。
 「大人が押しつける制服(という制度)はゴメンだ!」と言って、「制服廃止運動」とか言い出して菅直人に投票しちゃってたわけ。


 でも「制服レジスタンス」は違う。制服を脱ぐどころか

私が/制服を脱いだら
抵抗するものがなくなる

 だって。


 ここでは「制服」が、抵抗の拠り所にすらなっている。
 おもしろいねえ。「制服は押しつけられたもの」「個性を抑圧するもの」という感覚が全くない。


 AKBの制服風のコスチュームって、いつのころからかメンバーごとにヴァリエーションがあるようになったよね。ベースは同じなんだけど、アクセサリーとか着丈とかインナーとか、ディテールが一人一人違うものを着るようになった。


 おそろのようでおそろではない。
 でも全体の統一感、「AKBらしさ」は保たれている。


 本来は対立するはずの「制服」と「個性」を融合させる工夫、と言えるかもしれない。
 

 レジスタンスの拠り所であった「制服」がただの「男を釣る」道具に発展(進化? 堕落? 相対化?)したのが「I'm crying」。2010年7月からはじまったA6の曲。


 このころになると、制服を着るとコスプレにしか見えないメンバーが増えてきた、ってのも「制服の持つ意味」の変化と関係してるのかもね。


 ところでこれだけ「制服」についてぐだぐだ書き連ねといて何だが、ステージをよく見るとこの曲、制服着てないんだよね。 

2011年10月 8日 (土)

制服が邪魔をする2

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 このブログ始めたばかりのころ、「キスはだめよ」について、

攻めてる男の子、ちょっと引きながら守りに入っているの女の子。そういう状況の歌。これが攻守交代すると制服が邪魔をするになるわけだ。

 なんて書いてた。
 あの時は、すぐに「制服…」の話ができると思ってたんだよー。ずいぶん時間かかっちゃったなあ。


 そう、A1の「キスだめ」では、積極的な男の子に対し、制服を理由にして女の子が拒んでいました。ま、歌ってるお姉さん方は制服じゃなくて、「金色のでかいスパンコール(というよりアイスのふたのようなもの)が下がったワンピース」を着てたんだけどね。

キスはだめよ/肩を抱かないで
制服のままじゃ/イケナイでしょう?

じゃあ制服を脱いだらキスしてもいいのか、というと、どうやらそうでもないらしい。
 

 だってすぐ後で

軽いノリだけで/はじまるのもいいけれど
あなたは違うの

 なーんて言ってるくらいだもの。
 「制服のままそういうことしちゃイケナイ」って言うのは、ちょっと言い訳Maybeくさいよね。


 ここでは「制服」は彼女の純潔(と踏ん切りのつかなさ)を守っている「鎧」だった。

訳知り顔の大人が/眉を顰めて通り過ぎてく
やな感じ

 人目も気になるから自制もするし。
 それがこんどは攻守交代。


 舞台もカッコイイ若者の街w「渋谷」ですもの。
 ついこの間まで「アキハバラフォーティーエイト」って歌ってたのに。

制服が邪魔をする/もっと 自由に愛されたいの
どこかへ 連れて行って/知らない世界の向こう

 だって。


 ここでは「制服」は文字通り邪魔者。愛し愛される自由を奪う、彼女のカラダを包む世界で最も薄い牢獄。
 「知らない世界」よりも「向こう」って、どんだけ遠いところなんだよ。ってくらい、ホントに吹っ切れちゃったみたい。

誰か(誰か)/見てても
関係ないわよ/キスしなさい

 制服を着てることによって気になっていた他人の視線もどーでもよくなっちゃうくらい。てか渋谷あたりじゃ制服を着たままチューしてる女の子、いるよね。
 

 制服が邪魔してるんなら、じゃあ脱ぎゃいいじゃんか。
 なーんてそれはあまりにも短絡的なご意見。
 ここでいう「制服」というのは、ただの衣類のことではなく、それが象徴する制度も含んでいるんであるよ。


 人によっては(60歳代でトップは薄いのに、サイドとバックだけはどうしても長くしておかなくては気が済まない髪型に固執して、たまにマオカラーのジャケットを着るような御仁、奥さんは草木染めですかその微妙な色合いとか、あ、別に特定の個人ではありません)、菅直人に投票したり、個人の自由を抑圧する「制服」などという制度は断固排除すべしと言ったりしちゃうわけだが、話はそんな簡単ではない。


 菅直人に投票しちゃった人は腹を切って地獄に堕ちるべきである、ということはワキに置いておいて、「キスだめ」でみたように「制服」という制度は自由を抑圧すると同時に個人を守る仕組みでもある。
 だから

友達より早く/エッチをしたいけど

 なーんて言ってるくせに一方で

セーラー服を脱がさないで/今はダメよ我慢なさって

 などと言うんである。セーラー服でも何でも脱がさなきゃ話が始まんないじゃんか。
 脱ぎたい、でも脱がさないで欲しいというアンビバレンツ。


 え、これAKBじゃない?
 失礼、秋元先生の嫁選びおニャンコでしたね。


 いずれにせよ、自分を縛ると同時に守っている「制服」に対する葛藤という点では「制服が邪魔をする」と「セーラー服を脱がさないで」は同じ範疇なわけ。


 秋元先生も進歩しねえなあ、とここまでは思った。
 ここまでは。

2011年10月 4日 (火)

制服が邪魔をする

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 A3の8曲めにして、AKBメジャーシングル第2段。
 作曲は井上ヨシマサ。


 K2からプロジェクトに参加したヨシマサさん。その後良曲佳曲スマッシュヒットを排出し、AKBになくてはならない人になっていく。
 このころK2では「Virgin love」と「シンデレラは騙されない」、A3ではこの「制服が邪魔をする」と、公演タイトル曲の「誰かのために」、「涙売りの少女」を書き下ろした。「Virgin love」は、「制服…」のカップリング曲にもなった。


 当時の状況について、ヨシマサあにぃのいわく。

(秋元康に曲を)「どんどん書いて」って言われて喜んで書いているうちに。「あ、これはシングルでもいいんじゃない?」ってことになっていって。だから、最初からシングル狙いとかそういうことじゃなくて、いつも「劇場で燃え上がるもの」ってことしか考えてないんです。

 別にシングルで売り出そうという意識なしに書いた曲たちであったと(でもあの演出見るとさあ、ちょっとは下心あったよね、ちょっとは)。


 作曲家としては面白かったろうなあ。ヒットとか枚数とかタイアップとか、そういう縛りを考えず、ただただシアターでヲタを熱狂させろ、と。ヤツら舌は肥えててうるさいが、いったん食いつけば骨までしゃぶりつくすから。
 そりゃものつくる人は燃えるよねえ。


 今みたいに初日(初週じゃない初日!)100万枚なんて数字が出ちゃうと、もうこれは万人単位の人の生活がかかる「産業」になっちゃうわけで、あんまし無茶ができなくなっちゃうよね、きっと。


 でも当時は、「会いたかった」の売り上げが3万枚弱。それはそれですごい数なのだが、冒険や挑戦を思いとどまらせるような声は少なかったろう。


 この曲がステージにかかったのは2006年8月20日(おっと、前日にゲネプロがあったんだね)。その10日後にメジャー第1段の「会いたかった」の発売がアナウンスされた。
 発売は同年の10月25日(「夏へ続く近道」ってのはニュージーランドにあるんですか?)。

 
 当時にしてみりゃ第2段シングル? 何それおいしいの? ってな状況だったのだろう。
 インディーズ合わせりゃ3枚目だけど、どんな手を使ってでもメジャー1枚目を売らなきゃ次があるとは限らないのが業界の常。
 

 どのような事情があったのかはわからないが、めでたく「次」があることになって、恐らくは綿密なマーケットリサーチw(まあシアターに来てるヲタにちょっと聞いてみるとかさ)の末、とまれこの曲が第2段のシングルと決まった
 発表はシアターの柿落としからほぼ1年後の2006年12月4日でした。
 

 余談ながら、この頃の公式ブログには、当時のプロジェクトの様子が垣間見える。
 試行錯誤(行き当たりばったり?)、高揚感(字 でかっ)、急な告知(おいおい明後日だってよ)、日々のトリビア(試験勉強でお休みだってさ、じゃしょうがないよね)etc…


 SKEにもNMBにもいろいろと工夫したブログがあって、読んでてとても楽しいのだが、AKBのこの頃のブログの「工夫のしなささ」(「用の美」? そりゃ言い過ぎ)は別格。
 これらを読んで一喜一憂するヲタどもの姿さえ見える気がする。ある意味「記録文学」だよね、この頃の公式ブログ。
 戸賀崎氏の人徳なのでしょう。


 ほらあーこんなことばっか言ってるから曲の話できないじゃんか。
 じゃちょこっとだけね。

制服が邪魔をする/もっと自由に愛されたいの
(中略)
制服が邪魔をする/もっと自由に愛したいの

 「キスはだめよ」が「制服が邪魔をする」になって「JK眠り姫」「女子高生はやめられない」で思い直して「制服レジスタンス」「I'm crying」で陰の花を開く「制服」と女の子とのアヤシイ関係が気になってます。


 あと花ちゃんの試験はうまくいったのかしら?

2011年7月26日 (火)

シンデレラは騙されない3

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 やっと曲のオハナシ。


 真ん中に6人。深紅のドレス。
1-2-3のピラミッドフォーメイション、トップには小野。その後ろに大島(優)、河西、秋元、小林、宮澤。
 残りの10名は5名ずつ両脇。衣装は真ん中の6人よりも暗い臙脂色。この10名はマイクを持ってすらいない、バックダンサー状態。もうこれはセンターの6人によるユニット曲と言ってもいいくらい。
 BPM300近いパルマが力強い。


 B1ステージも同じ構成。6人がセンターでピラミッド状。フラメンコギターのイントロに合わせて後ろから振り返る。
 そして最後に振り返るトップにしてセンターは、柏木でも渡辺でもなく平嶋!
 その表情は晴れやかに輝いてる。なっちゃんBに来てよかったよねえ。


 つい先日、増山加弥乃さんが「芸能活動をお休みすることになりました」ってアナウンスがあったのだが、もし彼女が当初の構想通りCinDyや平嶋、渡邊と一緒に設立時のTeam Bに来てたらどうだったろうか、などと考えてしまった。


 「シンデレラシックス」平嶋の他は井上、CinDy、柏木、渡邊、渡辺。
 平嶋センターで「オレ!」と叫んだ後、歌い出しは井上と柏木なんだけどね。なっちゃん歌詞間違えるとヤバいからこれでいいんだって。


 曲調はフラメンコで、タイトルはシンデレラなんだけど、内容はすごく現実的な女の子の欲望と葛藤。
 舞台は盛り場、時間は0時。帰ろうにももう終電は行っちゃった。ここからドラマと駆け引きが始まる。

終電に乗り遅れたら/シナリオはロマンス

 「終電、行っちゃったねえ」
 さあどうするどうするどうする。とりあえず、キスまではOK?
 このまま勢いで行っちゃうの?


 ところがこの女の子、ここからが冷静。

シンデレラは騙されない/見かけより/長く生きてる
男たちは/その場だけの/仮の王子様

 男の本質を見透かしています。
 「君が好きだ」「大切にしたい」「ずっとそばにいて」
 いろいろ言いますけどね、ぶっちゃければ「イッパツやりたい」ですよ。
 それは実は女の子の欲望でもあるんですね。もうちょっとキレイな言い方だけど。だからいったん攻撃をしのいで、男があきらめかけたところで搦め手から逆攻撃をかけたりする。

あまりに紳士的に/やさしくしてくれるから
試すように/揺れるふり 上目遣い

 お前の攻撃力はその程度なのか! さあ見せてみろ、お前のホンキを! ってな感じですか。

シンデレラは赤い舌出す/微笑みの下に隠して
どんな風に/誘うつもり?/学びたいレッスン

 なかなか向学心に富んだ女の子のようで。何であれ、新しいことを学ぶことは大切なことです。


 ここで登場したシンデレラは、未経験だけど、決して純情ではなくて、好奇心は強いけど、決して安売りはしない。


 複雑? いやいやいや。リアルの女の子はもっと込み入ったことを息をするようにたやすくできるんだよね。
 これじゃあシアターに集うヲタ諸君の支持を集めてシングル化ってわけにゃいかなかったかな。 


 K2の「シンデレラ」、歌い終わりも小野がセンターで締めるんだけど、何故かB1の締めのセンターは渡辺。平嶋はCinDyと二人で渡辺を支えるポジションに下がってました。


 というわけでこれにてめでたくK2(B1も)お開き。

2011年7月25日 (月)

シンデレラは騙されない2

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 「転石」が終わった後、わざわざ着替えてこの曲。タイトルロールは「シンデレラ」なのにフラメンコ調。


 DVDで見て最初に感じたのは「これってシングルカット用?」という感想でした。
 ふつうだったら「転石」で盛り上がってアンコールお終いでいいじゃんね?


 それをわざわざ着替えて、曲調もフラメンコ風ですごく特徴があって、いわゆる「フック」のある売れ線でしょ。歌ってるのは6人の「選抜」。いわば「シンデレラシックス」。


 ちょうどA2のアンコールが「AKB48」で終わらずに、選抜の7人わざわざが制服に着替えて「スカート、ひらり」を歌うのに似てる。「これでアンコール曲はお終いです。最後に発売中のシングル曲『スカひら』聞いて下さい」みたいな構造。


 K2「青春ガールズ」の開幕が2006年7月8日。その約1ヶ月前の6月7日、2枚目のシングル、「スカひら」がAKSレーベルから発売された。「スカひら」はAKB名義ではあるものの、実質「Aチーム」のシングルであった。


 もともとの構想であった1軍2軍体制ではなく、競い合う同等のチームとしてオリジナルのセットリストも与えられたTeam Kが、独自のシングル曲を期待するのは、当時の状況としては当然のことだったんじゃないかな。
 「AKB3枚目のシングルはTeam Kのオリジナルを!」という機運があったんじゃないかしら。
 特にTeam Kの熱烈なるファン、いわゆる「Kリーガー」にはその期待が強かったのでは。


 実際、2ちゃんねるの地下アイドル板に「AKBチームKの初シングル曲を予想するスレ」が立った。

1 : ファンクラブ会員番号774 : 2006/08/06(日) 03:42:00
 やっぱりシンデレラかな

 作曲は井上ヨシマサ。同じK2の「Virgin love」ではじめてAKBの楽曲を手がけた。
 

 井上は、A1、A2には間に合わなかったものの、K2以降、秋元康のの「アツ過ぎる要求(別冊カドカワ総力特集秋元康)」に応えて数多くの楽曲を公演に提供するようになる。


 このように考えると、秋元は井上の曲をシングルに採用する可能性を考えて、K2の最後に投入したのじゃないだろうか。瀬踏みですよね。ヲタの反応を見ながらの選択肢として。


 同じような立場の曲が、まだ取り上げてはいないけれどA3「誰かのために」公演にもあった。
 A3アンコールの最後の最後、いかにもアンコール用の「メドレー」が終わった後に、やはり衣装を着替えて歌う「涙売りの少女」。
 作曲はもちろん井上。この曲のフックは「少女売春」というテーマと、ラップ。イカネバップ。


 こちらも将来のシングルカットの含みを込めた編制だったように思える。
 

 でもまあ、みんな知ってる通り、結局のところ「シンデレラ」はシングルカットされることはなかった。同時に「Kオリジナルのシングル曲」というKリーガーの願望も泡と消えた。


 AKB3枚めのシングルは、ご存じ「会いたかった」となった。作曲は井上ではなく、BOUNCE BACK名義の河出智希。A2の公演タイトルであり、カップリングもやはりA2の「だけど…」。


 その代わりと言うべきか、このシングルではじめてTeam Kのメンバーも選抜された。Aが11人に対してKは9人。数は少ないが、当時のAが20人体制だったのを考えると選抜された割合はKの方がわずかに大きいんだよね(55% vs 56%)。
 

 PVの主人公は前田だったけれど、副主人公級の扱いで高橋とならんで大島(優)が重要な役を演じていた。「Kリーガーさんこれでカンベンして」ってことかな。


 以下余談ながら。
 「会いたかった」のPVは全員によるダンスシーン+ひとりづつ歌うシーン+カットインするドラマシーンで構成されているのだが、このドラマシーンは、主人公の前田が一人で映っているのは別として、その他のシーンでは必ずTeam AのメンバーとTeam Kのメンバーが一緒に登場するようになっている。
 冒頭前田をガンバレ、と励ますのは中西、峯岸+小野(AAK)。
 サイドストーリーの副主人公は高橋+大島(優)(AK)。
 高橋大島(優)が鞄を投げ出したあたりでごろごろしているのは、板野、小嶋+松原(AAK)。
 カフェ・ハーフムーンでだべってるのは、篠田+小林、野呂(AKK)。
 海辺を自転車で帰るのは、戸島+梅田、秋元(オ)(AKK)。
 旧安房水産高校現館山総合高校水産校舎校門でしゃべってるのは、大島+宮澤(AK)。
 那古船形駅跨線橋で写真を撮っているのは大江、成田+河西(AAK)。


 ね。AまたはKのメンバーだけで固まっているというシーンは一つもないでしょ。


 これはどういうことを意味しているかというと、このPVには裏のテーマとして「AとKの融和」というものがあったんじゃないかなあ、と思ったりもする。メンバー同士の融和と同時に両チームの熱烈なファンたちの融和。


 うわ、また「会いたかった」で長話をしてしまった。


 まあ、とにかくだ、話を戻すと、この「シンデレラ」は幻のTeam Kオリジナルシングル曲ではなかったか、と。


 またしてもその代わり、と言うべきか、同じK2の井上tune「Virgin love」は「会いたかった」の次のシングル曲、「制服が邪魔をする」(井上ヨシマサによるA3「誰かのために」公演の曲)のカップリング曲となった。カップリング曲とは言え、公演に用いられたTeam Kオリジナルの曲がシングルに選ばれたのはこれが最初で、おそらく当分は最後である(秋元康が少女たちに「さあ秋葉原へ帰ろう」と告げる日が来たら、最後ではなくなるのかもしれない)。


 その後「シンデレラ」と似た境遇の「涙売りの少女」は、「制服」の次のシングル曲、「軽蔑していた愛情」のカップリング曲となる。「自殺」と「売春」の組み合わせ。今のAKBからは考えられないよねえ。いや、「考えられない」ことは即ち「やっちゃうかもしれない」ことなのでうかつなことは言えないが。

2011年7月23日 (土)

シンデレラは騙されない

words
video


 K2もいよいよこの曲でお終い。
 なんだかさびしい気がします。


 今だから言うと、最初のうちK2ってあんまりぐっと来なかったんです。
 その前にA2「会いたかった」公演のことを書いていて、その流れでB2も見てたのね。B2も同じセットリストだから。それですごくTeam Bに惹かれるものがあったんですよ。


 A2とB2を比べたら、完成度は絶対A2なわけ。どのメンバーもよく見知った顔(板野はだいぶ違ってるけど)で安心して見られる。


 でも同じセットリストのB2を見てると、Team Bの一生懸命さというか、まあ主に平嶋とか平嶋とか平嶋とかCinDyなんだけどさ、そういうのがすごく心に迫るわけ。ちょうどこのころ、「平嶋夏海の物語」とか読んで、すっかりなっちゃんが好きになっちゃってたし。

 ところでAKB49ってマンガの英訳が何故か流通しているんだけど、そこの一場面のセリフ、

You can be clumsy as long as you desperately try to express
your feelings to the audience.

ってとこが日本語よかむしろカッコいい。


 元のセリフは「不器用でもその言葉を必死に伝えようとする」っていうんだけど、英訳の"desperately try"って方が「絶望的な状況をなんとかしようとめちゃくちゃ右往左往してる」って感じ。


 で、平嶋見てるとまさに "desperately try" という感じがひしひしとするわけ。


 話はそれるけど、このマンガのAkimoto-senseiはちょっとカッコよすぎ。この後のセリフ、

In AKB you don't work smart…you work hard.

 ってのも映画の一齣みたいで、元の「要領のよさなどAKBには必要ない」というちょっと説明的なセリフよかイカす。


 まあそんなこんなわけで、ちょっとTeam Bに巡り会っちゃったせいで、K2よかB1を先に見て、B1に肩入れしてました。


 だからK2のこと書いているんだけれど、度々ココロはB1に飛んじゃってた。
 「青春ガールズ」なんか、あのアカペラでまず浮かぶのは、今でも渡辺の顔だもん。


 でもひとつひとつの曲をじっくり見聞きして、比べて、ああ、Kもいいなあって思えるようになったのは、やっぱ「Blue rose」「禁2」のころからかなあ。「雨の動物園」でやっとKと向き合えましたって感じでした。で怒濤の4連コンボと「転がる石」で納得。


 で、そのK2ともこの曲でお別れ。
 最初は何となく馬が合わない感じだったけど、そのうちに仲良くなった友達とサヨナラするみたいな気分でもあります。


 この曲については今回は何も語らずに終わってしまうけれど、井上ヨシマササウンド第2段。疑うらくはマボロシのシングル曲。

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