K5

2012年12月 4日 (火)

16人姉妹の歌

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 増田と佐藤(夏)の急な脱退。両者ともAKBから離れるタイミングを考えていたきらいもあるようなのですが、それにしてももっと別なやり方がなかったもんだろうか。
 

 特にNさんは、ホント突然にいなくなっちゃった。


 さよなら公演なし。
 挨拶もなし。
 握手会はキャンセル。
 プロフィールもブログもぐぐたすもあっという間に消滅。あとちょっとで7周年記念公演だったのに。
 まるで「え? そんな人いたっけ?」と言わんばかりの消え去り方でした。


 握手会で支配人に事情を聞いてくれた人の報告もありました。そういうこともあるかな、というような説明でした。
 真偽は詳かにしませんが、戸賀崎さんがそう言うのならばそういうことなのでしょう。


 でもここに書くのも気色悪いような嫌な噂を流すバカモノもいます。


 事情がわからないのに軽々なもの言いはしない方がいいのかもしれません。
 でもね、忘れちゃいけないものってあると思う。たとえばNさんの存在こそが、AKBがAKBたるゆえんなんだってこととか


 ショウバイの文脈でAKBのことを語るのは、僕は大っ嫌いなんだけど、AKBの強みのひとつは「ロングテール」である、ということは多くの人の指摘通りだと思います。

  八女の夏希は根が暗い
  焼き肉の炭/じっと眺めて独り言

 そんなネクラな人でも、頑張っているのをちゃんと見てる人がいて、細いけど長いしっぽをつくってくれる。


 長い長いしっぽがあるからこそ、ヘッドの部分が輝く。そしてどの「しっぽ」にも輝くチャンスの順番が来る(決して平等ではないけれども)。


 Nさんは実にこの「長い長いしっぽ」でした。


 お天気お姉さんをやったりしてましたけど、大方の反応は「え、誰?」だったでしょう。
 とびきりのべっぴんさんというわけじゃありませんでした。
 郷里の先輩をはばかって、ただの「なっち」と名乗ることをよしとしませんでした。


 「16人姉妹の歌」で自らを「干され」と規定し、「ロマンスイラネ」では野呂姉さんと「選抜に入れない2人」をネタに狂言回しを演じました。


 そういう人でしたけど、やさしいいい声だったな。僕はこの人と倉持さんの話し声が一番好きでした。


 それに繰り返しになりますが、Nさんは公演の最多出場記録を更新し続けていた人です(ちなみに第3位は増田でした)。テレビに出ることは多くなくても、一番「会いに行ける」人。
 これまで自分が所属したチームの、全ての公演(K1、K2、K3、H1、H2、K4、K5、K6)の初日と、H2を除く全ての公演の千秋楽の舞台に立った人でもありました。
 新々Team Aの、何とか公演に一度も出演することなくAKBを去ることについて、Nさんはどんな気持ちだったんだろう。


 AKBを支える長い長いしっぽ。
 それがNさんでした。


 運動体としてのAKBが生き続けるためには、この「長い長いしっぽ」、仲谷明香の言葉を借りるならば「勝者に輝きと価値をもたらすことのできる敗者」たちがどうしても必要。


 Nさん。


 Nさんを見かけた時に嬉しい気持ちになってふっと笑顔が浮かぶ、それがAKBのinner circleに入った証拠でした。


 でも「よき敗者」であり続け「敗者の責任」を果たし続けるというのは、これはこれで果てしもなく消耗する苦行でもあったでしょう。


 ヲタは彼女たちを支えていると同時に、この苦行を強いている張本人でもあるわけです。
 よく考えたら、残酷な話だよね。 
 
 まあホントにNさんが好きだったヲタの方の苦衷を思えば、僕みたいな公演デビューしたばっかりの今出来ksDDが語るようなことではないのかも知れません。


 でもNさんがいないAKBは、また別のものになるんだろうな、ということぐらいはわかってるつもりです。
 さはさりながら「そして、船は進む」。


 それにしても「16人姉妹の歌」、リクアワとか「見逃し」で誰が歌うんだろ?

2012年5月24日 (木)

逆上がり2

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 TDC「見逃し2 逆上がり公演」から帰宅。

 
 ああ、楽しかった。率直な感想。
 ひょっとしたらアンコール前の「ファンレター」で泣いちゃうかも、と思ってたら、泣いてたのは木本だった。


 僕はと言えば「ファンレター」まで行くどころか2曲目の「逆上がり」で号泣ですよ。
 両隣のあんちゃんは、サイリウムも振らず腕も組んだままのおっさんが、こんな明るい曲聴きながら何で泣いてるのかわからなかったでしょう。

 
 いや、おっさんにも明確にはわからなかったけどね。

  逆上がり
  なぜか泣けて来るのよ

  やっと君たちに会えたね、という喜び。


 激しく健気に踊り続ける彼女たちへの、こみあげる愛しさ。


 そこには、ほんの少しだけ、「悲しみ」の要素もあったのかもしれません。「疾走する悲しみ」なーんていったら小林先聖先生(とモオツアルト)方面から大顰蹙を買うのでしょう。だから「明るく暖かな悲しみ」とでも言いましょうか。


 それはきっと、人生の半ばを過ぎてからでないと感じることの出来ない種類の悲しみなんです。あの時あの曲を一心不乱に歌っていた、「人生はまだ始まったばかり」なお嬢さん方には決して想像も出来ないような悲しみ。 


 そんなところだったのでしょうか。

 
 もちろんおっさんらしく、MIXは口の中で小さく唱えるだけでしたけどね。
 でも「アイラブユー」と「アイシテル」は大声出しちゃった。


 あと松村先輩の39位の時ね。

2012年5月19日 (土)

To be continued.

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 総統閣下におかせられましては先日の無礼な言動、平に平に御寛恕賜りますよう伏してお願い申し上げます。


 正直すまんかった。


 もうねえ、おじさんあっさり前言撤回しちゃいます。
 前言って「正直欲を言えば(いわゆる)本店さんのチームのステージが見たかった」ってヤツね。なーんて罰当たりなこと言っちゃったんだろう。
 今となってみれば、水曜日にTeam Eのみなさんにお会いできることを心から楽しみにしております。

 
 なんでそんな心境の変化があったかっていうと。


 E2の初日、オンデマでやっと見たんです。来週「見逃し2」でしょ。予習予習と思って見たのね。


 SKEのオンデマの絵って、すっごいアレだったでしょ、今まで。それが大改善。正面のカメラが引いたり寄ったり振ったりだけだったのが、両脇に追加のカメラが入っただけですっかりよくなった。


 見知った人なんて金子くらいだったし。あ、木本は何度か見たことあったかな。
 最初に小芝居が始まって、オイオイどうなるのこれ、と思って、どういうわけか中原中也の朗読が始まって。こちとら高校の頃は演劇少年兼文芸少年だったから(朔太郎派だけどね)、こそばゆいやらなつかしいやら、見てて赤面ですよ。

 
 そして本編。


 正直そんなに期待してなかったの。
 どういうわけかカンジンの「逆上がり」と「否定のレクイエム」はカットされてたし。


 でも楽しかった。
 間違いなく楽しかった。


 出だしは全く顔の区別がつかなくて、自己紹介のMCを聞いても憶えられなかったんだけど、見終わった時には何人か識別できるようになりました。
 金子木本はともかく、磯原、上野、小林(亜)、竹内、都築。そして誰よりも柴田。 

 
 踊りの上手い下手を論じる目はないんだけど、一生懸命やっている、というのはわかるよ。
 僕の見た限り、フリを「流している」ような子は誰もいない。それどころか後列端の方で姿は隠れているのに、髪だけが激しく振り乱れているのだけが見える。ほとんど何も見えないそこで、誰かが一心不乱に踊り続けていた。


 表情もアクションもオーバーと言ってしまえばそれまでだし、海千山千で目から怪光線とか弾丸を発射してる子はいなさそうだったけど、とにかく何かを伝えたい気持ちがあふれていることがわかる。


 MCだってそうだった。軽やかにすべりつつも、何とかお客と繋がろうとしていた。


 しばらく忘れていた、Akimoto-senseiの言葉を思い出しました。

  In AKB, You don't work smart...
  You work hard.

 AKBじゃ要領なんかいらないんだ。一生懸命やるだけ。それだけなんだ、って。


 「エンドロール」。梅島夏代に比べちゃ勝負にならないけど、ハッとするような鮮やかなターンがいくつもあった。グラスの中はソーダ水だけど、こういう「エンドロール」があってもいいよね。


 正直に言う。「わがままな流れ星」は、オリジナルよりよかった。
コバヤシカナ大王陛下と小野には誠に申し訳ないことなのだが。
 木本と目の大きな柴田。キュートでパキパキ音が聞こえてきそうなステップ。


 「ファンレター」。もともといい歌だと思ってたけど、K5で見た時にはこんなに心が動かされることはなかった。ファンとメンバーの交流をテーマにした、ちょっといい話的な歌だね、という程度の認識だった。だって歌ってるのが大島(優)をはじめ、もう「華奢な自信」なんていう段階は過ぎてそうなメンメンだったから。


 でもTeam Eの子たちは違った。
 この子たちは、くじけそうな毎日を本当にファンレターに支えられていて、それ思い出しながら歌っているんだ。僕にはそう見えた。
 手を伸ばし、会場の、そしてカメラの向こうの僕らにその手を届かせようとしていた。僕にはそう感じられた。
 そしてちょっと泣いた。


 初日ということもあって、アンコールは出演メンバーひとりひとりの名前をコールするところから始まった。嫉ましいぞ、このステージと客席の幸福で親密な関係。
 そうだよなあ、「私の名前 絶対に憶えて/指切りね」ってのがいっとう最初のお約束だったんだもんなあ。
 あと「やっぱチームEだなー」って声な(それに対するレスが「だなー」でなく「それな」ってのが今風なのな)。

 
 初日のステージ、やれなかったこと、やり残したことがいっぱいあったに違いない。
 それらを噛みしめながらも彼女たちは、次のステージを待つのだろう。

  明日/やりたいことをひとつ
  心に決めて

 晴れやかな笑顔で。
 ステージは始まったばかり、まだまだ続きはたっぷりある。


 僕のやりたいこと? 
 僕は水曜までに彼女たちの名前を憶えることにしましたよ。

2011年10月 6日 (木)

逆上がり

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 何もかもうまく行かなくて、もうどうしたらいいかわからなかった。
 

 僕の手の中にあるものから、どういうものが生まれるべきなのか、それは頭の中で鮮明にわかっていた。
 全ての材料はそこにあった。
 

 でも、どうやって実現したらいいのか、皆目見当がつかなかった。誰も教えてくれなかった。知っている人はそこにはいなかった。僕しかいなかった。
 そして僕も何も知らなかった。


 「これ使ってみな」とボスが言ったのが、Macintosh IIcxだった。何かで獲ってきた百万単位の予算をつぎ込んで揃えたばかりの最新機種。System7、メモリは128MB。
 モニターの前に座って角形のマウスを手に取った。


 世界がぐるりと回るのがわかった。

逆上がり
足で地面を蹴って
太陽がぐるりと回った

 それから数日徹夜が続いた。
 やり方は相変わらずわからなかったが、もう途方に暮れてはいなかった。
 やり方はわからなくても、やれることがわかったから。
 何も読まなくても、そこにある「景色」がやり方を教えてくれた。
 時々システムがクラッシュしても平気だった。やり直せばいいだけのことだから。


 そしてある朝、僕の頭の中にだけあったものが、カタチをなしてできあがった。僕の想像以上の出来映えで。


 その日以来、僕はいつもMacintoshと仕事をしてきた。何台ものMacが僕の相棒となった。


 Appleを作ったのは彼じゃなくて、Wozかもしれない。
 彼は決して「いいヤツ」でもなかった。「いいヤツ」のWozを騙したこともあった。彼の近くに寄ると、現実が歪むとまで言われた。
 でも、いつも僕に信頼すべき(ま、ときどきクラッシュするのは仕方ないよね、機械じゃないんだから)相棒を僕に届けてくれたのは彼だった。彼は僕のヒーローになった。
  

 彼がAppleに戻った時、僕はアドレスを知っている限りの友人にメールを打った(まあ、当時メアド持ってる友人なんて10人もいなかったけどさ)。チャーチルの海軍大臣復帰にイギリス海軍省が打った電文にならって、
 "Steve is back!"と。
 僕の最初の大きな仕事の謝辞には、両親、ボスとならんで彼の名があった(あと一人、Charles M. Schulzさん)。


 今僕の自宅とオフィスには9台のMacと17個のiPodがある。
 わかってる。これはとてもfoolishなことだ。


 でも「それら」を使って、あのころ出来なかったことを、今、僕は息をするようにたやすく行っている。

逆上がり
なぜか泣けてくるのよ
知らぬ間にちゃんと回れること

 もちろんそれは、僕が大人になったから、だけじゃない。


 ありがとう、Steve
 いつかiCloudの上のどこかで。

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